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?T地区海浜公園基本計画において覆砂・潜堤の環境改善工法は、全ての代替案に含めること。
?基本計画独自の環境改善目標値は、現況の自然的価直の50%増であり、環境度に換算した場合、動植物生育度の目標値dtは0.71以上、景観度ptは現況以上とすること。
?この計画は、新たな環境創造を目的とすること。

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Fig-6 現況の動植物生育度と景観度の評点設定

Measurement on a four-Point rating scale

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Fig-7 現況の環境度の空間配置

Present Stationing in Environmental indicators

(2)利用計画に沿った代替案の抽出【第2段階】
T地区海浜公園基本計画において環境度を高める環境改善工法として、工法施工事例および水質改善効果の各種シミュレーション事例等を参考にして、
代替案?:覆砂・潜堤、人工海浜(干潟)
代替案?:覆砂・潜堤、れき間接触酸化水路
代替案?:覆砂・潜堤、人工海浜(干潟)、れき間接触酸化水路
代替案?:覆砂・潜堤、人工海浜(干渇)、れき間接触酸化水路、リビングフィルター、植栽
の4つの代替案を抽出した。これらの代替案について、それぞれ工法実施後の動植物生育度と景観度の評点変化を求めた。Fig-8に環境度による代替案実施後の空間配置を示す。

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Fig-8 代替案の環境度の空間配置

Alternative's Stationing in Environmental indicators

(3)効果による代替案の選択【第3段階】
a)費用対効果によって選択する方法
名工法の費用と得られる効果から、費用対効果を求めると、Tableとなる。
景観度の増加重?pと動植物生育度の増加重?dから環境度の増加重?eを算出した結果、?eのみに着目すると代替案?が最も高い。しかし、単位費用あたりの環境度の増加重?e/Cが最大となる代替案は?であり、費用対効果からみて最も良い案と言える。したがって、T地区海浜公園の計画水域に実施される環境改善にはFig-9に示す代替案?が抽出される。

Table-1 代替案の費用対効果

Alternative's Comparison by Benefit/Cost

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b)環境創造の目標区分(空間価値)によって選択する方法
適用事例の対象地域は、用途区分において現況の空間価値が開発空間に位置し、沿岸域の総合利用計画の行動方針より目標区分として保全区域の空間としての利用方策を検討する区域に位置づけられている3)。これより、沿岸域利用計画との整合性を図るための環境改善工法を選択すると、Fig-8における保全空間に位置する代替案?とFig-10に示す代替案?が選択される。これらの代替案は、現況の開発空間の位置づけから、開発・保存の機能をある程度確保している空間として、保全空間へと空間価値を高める環境改善工法となる。

 

 

 

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